2004.3.20
そろそろ今シーズンのスタートが近づいてきました。しかしまだ剪定も終わっていません。4月になると樹液が動き出すので早くしなければと思いながら寒さの中での作業が億劫でなかなか始まりません。
石灰硫黄合剤の散布も芽吹き直前にする必要があります。去年は手を抜いたおかげで、ノースレッドには黒痘病が多発しました。
今年はノースレッドの本格的な収穫を期待しているので手を抜かずに取り組むつもりです。
一方スチューベンとキャンベルは大幅剪定する予定ですので収量は少なくなりそうです。
発芽から色付き始め頃までが一番楽しい時期ですので、どんな結果になるか暫く楽しみです。
2004.3.21
今日はこの時期にしては珍しく風も無く穏やかな暖かい日で、そろそろかからねばと思っていたブドウの剪定を2時間位かけ一気に終えました。
写真は見にくいですがノースレッドの剪定前と剪定後。
2004.3.28
今日は石灰硫黄合剤を散布しました。
2004.4.15
今日は快晴で、昼休み庭に出て写真を撮ってみました。
ノースレッドの芽吹きが始まりました。剪定の際の切り口からは樹液がポタポタと滴り落ちています。これは「ブドウの涙」とも呼ばれ、切り口が癒合しないうちに樹液が上がって来たために起こる事で、つまり剪定が遅かったという訳です。
2004.4.22
今日も快晴でしたが珍しく風が無くノースレッドの展葉の様子をパチリ。
例年の事ですが春は低気圧が通り過ぎて天候が回復したら強風・暴風が吹き荒れ、倒された鉢物を起こす毎日が続きます。このあたりは裸地が多いので窓を閉め忘れでもすればたちまち砂でざらざらになってしまいます。これは通り過ぎた低気圧が発達しながらオホーツク海方面に進んで行くために起こる現象でそれがやむ頃には次の低気圧がやって来ます。
この強風で伸びだしたばかりの新梢が折られてしまう事もあります。
このパターンの天候が終わる頃には、太平洋からの海風が吹き込むようになり、曇天と霧雨が毎日続く夏型の天候になります。当地での果樹栽培には気候的な悪条件が年中付きまとっています。
2004.5.22
5月8日、蕾が見えてきました。
この頃になると、晴れて気温が上がった日に写真のように新梢の先端の方の葉が萎れているところが見られます。これはスカシバが結果母枝に食入していて水分が行き届かないためです。食入個所から先を切り取ります。
5月末には蕾も大きくなってきます。しかし霧雨の寒い天気の日が増えてきます。最高気温が10℃位でストーブが必要になります。
2004.6.6
このところ25℃前後の良い天気が続いています。梅雨に入る前のわずかな好天です。
キャンベルの開花が始まりました。ブドウの開花は茶色い帽子状の花冠がはじけ飛び開花します。かすかな良い匂いがします。
2004.6.20
梅雨入りしてからも雨が降らず晴天が続いていたので目立った病気も発生せず順調に発育しています。しかし昨日から梅雨らしい天気になってきました。
写真はキャンベルの房が13~14cmまで大きくなった様子。今が一番楽しい時期です。
2004.7.10
相変わらず晴天が続いています。この地に住んで20年近くになりますがこれほどの空梅雨は初めてです。おかげでブドウ作りは大助かり。病気は出ないし、酸味の抜けと甘味の乗りも早まるでしょう。その上、葉で大量の養分が生産されるので樹体の充実が進み、来年の成長に良い影響を与える事になります。
キャンベルはどんどん大きくなって16~17cm位になりました。粒もビー玉大で花振いも少なめです。
何年も作っていると、剪定の強弱、芽欠き・摘芯の時期、肥料の多少、摘房の程度などが徐々に分かってきます。
特に例年のように、冷夏・日照不足の傾向が強い当地では、強めに剪定し、房数も思い切り減らさないと、大きく甘い房が採れません。
2004.7.24
結局今年の梅雨は先週の1週間で終わってしまいました。この少雨はブドウ作りには大助かりです。これまでに無い旨いブドウが採れると期待しています。
粒の色も緑から少し黄色っぽく変わってきました。もうじき一粒・二粒とぽーっとした赤味がさしてきます。
粒も二週間前より若干大きくなったようです。
2004.7.31
毎日快晴の日が続いています。ポツリポツリと赤味が差してきました。このような状態をヴェレーゾンというようです。
写真は陽光に照らされた7月31日のノースレッド。キャンベルは未だこれほど色付いてません。
2004.8.8
毎日快晴の日が続いています。ヴェレーゾンが一気に進みあっという間に着色しました。やはり赤色品種がぶら下がっている様子はあでやかです。
写真はきれいに着色したノースレッドとヴェレーゾンが進むキャンベルアーリー。キャンベルは赤くなった後、黒く変わっていきます。
2004.8.14
ノースレッドの大半の房が着色しました。今年は日照が十分あったのできれいな赤が出ています。
すでに良い香りを発しています。熟期に達しているのでしょうけど、完熟するまで待ってみましょう。
一方キャンベルは赤から黒に変わるところです。こちらは完全に黒くなってからさらに2週間位後が熟期となります。
香りもまだありません。
両品種とも香りが出だすと蜂が寄ってきます。そこで着色が進んだ房に袋掛けをしました。
2004.8.28
鳥との知恵比べ状態です。蜂よけに紙袋を掛けたのですが、今度は鳥がやって来ました。うまくなった頃を見計らって来ます。枝に乗って袋を引っ張って破り、粒をつついて地面に落としそれを食べていきます。地面には紙袋とブドウの皮だけが残っています。
ここ2~3年毎年やられています。CD-ROMをぶら下げたりしましたが鳥は数日で安全を確認すると再び戻ってきます。
そこでキャンベルには去年買っておいたビニールネットを掛けました。ノースレッドには手持ちの網戸用防虫網を袋状にして掛けました。完璧に防ぐにはこのような方法しかなさそうです。
ブドウ作りで一番楽しい着色期が終わり、その年の結果が決まって守りに入る頃には面白みがなくなってきます。
2004.9.4
蜂よけの紙袋を掛けてあったのですが1週間前の台風で何箇所か落ちています。すでに完全に着色していました。再び袋掛けする前に写真撮影しました。
2日程前からキャンベルからいい匂いがしています。案の定大きな蜂がやって来て果汁を吸っていたので急いで袋を掛けました。
写真は着色が終わったキャンベルと果汁を吸っているスズメバチ。
2004.9.11
コラム
ブドウの品種 |
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我が家のブドウもそろそろ収穫時期となってきました。マーケットにもいろいろな品種のブドウが並んでいます。
巨峰・ピオーネ・ロザリオビアンコ・マスカットベリーA・甲斐路・ブラックオリンピア等々。どんな味がするのかなと思いながら買ってきて味わっていますが、デザートとしてはやはりヨーロッパ品種の上品な甘さに軍配が上がります。アメリカ品種の後でヨーロッパ品種を食べてみたら暫くはその味が感じられないくらいアメリカ品種の甘さは強烈です。 強いてアメリカ品種及び欧米雑種の中で印象に残った品種をあげると、甘味と酸味のバランスがいいマスカットベリーAと、独特の甘味が強いスチューベン。どちらもフォクシー香が無いという点がポイントです。 しかし巨峰系統の味はどうしても好きには成れません。 我が家のブドウは作りやすさで選んだため、三種類ともアメリカ系品種ですが、そろそろ純粋ヨーロッパ品種、しかも黄緑系や赤色系の大粒品種を作ってみようかなと考えています。 次から次に改良されて作り出される新品種より、古くからある品種に興味がありますが、それよりやはり作りやすさという基準で決まりそうです。 黄緑系では超古典品種の「マスカット オブ アレキサンドリア」や「ロザキ」。 十分古典的で、大房になる「イタリア」、ユニークな形をした「ピッテロ ビアンコ」、そしていい香りのする「ネオマスカット」。 香りはないが超古典品種の血をひく「ロザリオビアンコ」。 形はユニークだが脱粒がひどい「涼玉」。 最新の「シャイン マスカット」。 赤色系では、裂果がひどくて難しそうな「リザマート」。 色はきれいが晩生の「甲斐路」。 早熟で作りやすそうな「ヤトミローザ」「ネオマート」。 強いマスカット香の「マスカットビオレ」。 赤い「イタリア」の「ルビーオクヤマ」。 裂果なく着色がいい「赤嶺(せきれい)」等々。 いろいろ作ってみたくなるものばかりですが、やはり店で売ってない品種を作ってみようかなと思っています。 |
2004.10.3
コラム
ブドウ園訪問 |
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9月20日、山形県南部のブドウ栽培地、上山・南陽・高畠に出かけました。
イタリア・ルビーオクヤマ・赤嶺・ネオマスカット・ロザキ・バラディー等珍しい品種を見せてもらったり試食させてもらったりして参考に成りました。特にバラディーは山形ではめったにお目にかかれない品種です。 中にはネオマスカットをマスカット オブ アレキサンドリアと称して販売している悪質な業者もありましたが。 10月3日には雨の中、先日ネットで見つけた県内では珍しいブドウ園「木村果樹園」にお邪魔しました。ヨーロッパ品種は赤嶺とマスカットビオレを作っておられます。 山梨の研修所で学んだ経歴があるというご主人に、忙しい中お話を伺い大変参考に成りました。特に品種毎の熟期・着色具合などは地方により異なるので、地元ならではの貴重な話を伺うことができました。 |
2004.11.3
このところ曇りや雨の日ばかり続いています。ほとんど日差しがありません。夏の天気が良かった反動か、落葉前に成って病気が広がっているようです。
ブドウの葉もすっかり色付きました。このようにきれいに黄葉する葉は少なく大半は汚らしく茶色くなっていきます。
来年の成育のためには落葉まで病害虫に侵されないように消毒をしないといけないのですが、そこは趣味でやっていること。収穫してしまったら後はほっとらかし状態です。
すでに登熟が終わった新梢に折れている所が見つかったので切り取り開いてみると30mm位まで大きくなったスカシバの幼虫が2匹も見つかりました。気持ち悪いですが写真をアップしておきました。
余談ですが釣りをする人はこれをブドウ虫と呼びエサにするそうです。
2004.11.20
少し早いかなと思ったのですが大部分の葉が落ちたので剪定を済ましました。
去年はキャンベルがスカシバの大被害に遭い、思い切って幹とわずかな結果母枝だけを残して剪定をしたところ、今年は思いがけなく花振いの少ない大房が収穫できました。
これにならって棒仕立ての短梢剪定にしました。
2004.12.12
一方ノースレッドは垣根仕立てですが、こちらも短梢剪定で規則正しく結果母枝を残しました。来年はあまり幅を取らないよう、新梢を上方へ誘引していくつもりです。防虫ネット掛け作業もしやすくなるでしょう。
剪定後、穴を掘って骨紛と苦土石灰を施しました。
2004.12.18
コラム
苗木購入 |
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ヨーロッパ品種を作ってみようと思い、山梨の植原葡萄研究所から取り寄せたカタログで品種を決め、注文してあった苗木が先日到着しました。
「ロザキ」と「乍那(チャナー)」を同好の友人と1本づつ一緒に申し込みました。「リザマート」も入れようと思っていたのですが売り切れていました。 実はこの友人、最初は園芸には全く関心が無かったのですが、4年程前に我が家で実ったスチューベンを持って行ったところ、「素人でもこんな甘いブドウが作れるんだ!」と驚き、自分もやってみようと本格的な棚まで作り、今では我が家のスチューベンより遥かに大きく成長し、見事な房を着けるようになっています。 当地では晩生品種を選べず限定されてしまいますので上記のような品種となりました。「ロザキ」は以前山形で食べたことがあるのですが、「乍那」は想像もつきません。雨除けしたり、コンテナで栽培したりするつもりですが、どの程度病気や裂果が現れるのか、また友人は「ロザキ」の摘粒の程度が問題になると思っています。 苗木は到着後、根を水に浸け吸水させておいて庭の空いている所へ仮植えしました。来年3月まで乾燥しないようにするための保存方法です。 |
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